2026年2月16日月曜日

宍塚大池周辺のクモ(2025年末までの記録)

宍塚大池周辺のクモ(2025年末まで)

1.        はじめに

 クモについては、どちらかといえば、嫌われ者であるが、よく見ると、ハエトリグモのくりっとした目など可愛いと思う。造網性のクモでは、雌グモのつくった網の端の方にいて、ひっそり迫っていく雄グモなどは身につまされる。

そんなクモであるが、宍塚大池周辺で確認されたクモ類は、2025年までに、206種に上っている。茨城県全体で記録されているクモ類は、2016年の茨城県レッドブックによると、340種ほどとされている[1]ので、県南の100haほどの地域で、60%以上が確認されていることになる。

2.        宍塚地域での調査の概要

   環境調査

宍塚の自然と歴史の会の発足直後行われた、宍塚大池地域自然環境調査の中で、クモの調査[2]も行われた。調査は、「19924月から19959月まで、毎週土曜日の午前中に2時間程度、土浦境線から大池堤防を経由し、大池西側の水田に至る通常の観察会のコースを中心に、センサスコースを設定し、時速1kmで歩きながら、目撃したクモ類を記録」をおこなっている。

調査結果は、1872種。実際に、歩きながら、見てみたこともあるが、とてもみつからない。良く、見つけたものである。

この調査の中で、なんと、1964年に採集されて以来、日本で見つかっていなかったトサハエトリが採集された。これは、調査に協力いただいていた東京蜘蛛談話会のお一人、工藤泰恵さんが池のふちで採集されたもので、31年ぶりの記録だったそうである。[3]

   「土浦市宍塚のクモ類」

会からの依頼を受け、水山栄子氏ら国立科学博物館教育ボランティア「クモグループ」が、20064月から20083月までに調査で、30171種が確認された。

会発足以前の1977年の菅波洋平氏の調査「茨城県南部・西部の真正蜘蛛類について」と上記の環境調査の結果と合わせて、31191種を、20092月、キシダイアNo.95 P87-96(東京蜘蛛談話会会誌)に発表している。

この調査において発見されたガケジグモ科ヤマヤチグモ属の1種が、Tegecoelotes mizuyamae Ono 2008(ヒタチヤマヤチグモ)として、命名者の小野展嗣氏(国立科学博物館)から水山氏に献名された形で、新種として記載されている。

   例月調査

クモ類については、毎月の調査が、会報「五斗蒔」の中の松田メモというかたちで、報告されている。2024年までに、134種に上り、上記の調査に、さらに14種が追加されている。さらに、毎週行っている土曜観察会において、2025年にスズミグモが新規に記録され、記録種は、合計206種となっている。

当初の調査よりは大幅に増えているが、継続は力ということと思われる。

水山らの調査及び調査記録がある1993年から2025年までの33年間における出現回数であるが、1回だけのものが32種。15%ほどの種は出会えたら宝くじとまではいかないが、相当ラッキー。一方、皆勤賞の34回の種は13種、31回以上が22種なので、こちらは10%ほどになる。

この22種をまず覚えるといいのだが、造網性のヒメグモ科、コガネグモ科、アシナガグモ科などがほとんどで、歩き回っているのはイオウイロハシリグモ、ウヅキコモリグモ。

後は、花のそばにいるワカバグモ、ハナグモ。ピョンピョン動くハエトリグモの類。

 

3.        絶滅危惧種

茨城県レッドブック(動物編)2016年改訂版では、10種のクモが指定されているが、そのうち、3種が、宍塚で確認されている。

いずれも、準絶滅危惧種であるが、コガネグモ、ハナサラグモ、コアシダカグモである。ハナサラグモ、コアシダカグモをそれぞれ、1回だけで、しかも、クモグループが記録したものであるが、コガネグモについては、先の出現回数でも紹介したが、33年連続記録種である。数少ない茨城県の絶滅危惧種指定のクモが宍塚では毎年みることができるというのは、結構な出来事だと思う。

2000年の指定は4種で、コガネグモを含めて上記の3種は指定されていなかった。コガネグモについては、近県の埼玉県や千葉県でも指定されているので、この間に状況が変わってきているのかもしれない。

 

茨城県レッドブック2016の選定理由

昭和30年代までは各地で普通にみられたが,その後ある時期に急激に生息地および個体数が減少した。良好な草地環境が開発によって失われたことと,継続的な農薬散布により餌昆虫の量および多様性が減少したことが原因と考えられている。

4.        まとめ

クモについては、そもそも、巣穴にいるクモや草むらにいるクモなどは発見自体が困難であり、さらに、同定にあたっては、雌性器の形状など顕微鏡による識別が必要になるなど困難な場合も多い。

なかなか、アマチュアには難しい面もあるが、常連の22種、絶滅危惧のコガネグモなどを探しながら、自分たちでも、見つけられる範囲で、楽しみながら小さな捕食者たちを探すのがよいと思われる。新種発見も夢ではないかも! 


 



[1] 茨城県版レッドデータブック<動物編>2016年改訂版P129

[2] 12-1「宍塚大池周辺のクモ類目録」松田浩二、森本信生P148

[3] 宍塚大池地域自然環境調査P152~池田博明「茨城県土浦市でトサハエトリが採れた」

2026年2月11日水曜日

宍塚のクモ 2025年の記録

 松田メモや土曜観察会で記録されたクモは、48種。新たに記録されたのは、8月9日の土曜観察会で記録されたスズミグモ。目のような黒紋が特徴的なやや大型のクモ。

 茨城県では、2015年にキシダニアというクモの雑誌に記録が報告されている。宍塚では、初記録。南方系のクモとされるが、近年、北上傾向にあるとされる。名前の由来は、巣に住んでいることから、巣住蜘蛛。

 宍塚での記録種は、スズミグモを加えて、2025年末時点で、206種となった。


写真

 久しぶりのアカイロトリノフンダマシ、茨城県の準絶滅危惧種であるコガネグモ、よく似たチュウガタコガネグモ、コガタコガネグモ

   

2025年記録種
ジグモ、シロカネイソウロウグモ、オナガグモ、カグヤヒメグモ、アオオニグモ、オニグモ、コガネグモ、チュウガタコガネグモ、ナガコガネグモ、コガタコガネグモ、ギンメッキゴミグモ、ゴミグモ、ヨツデゴミグモ、シロオビトリノフンダマシ、アカイロトリノフンダマシ、スズミグモ、ドヨウオニグモ、ワキグロサツマノミダマシ、コゲチャオニグモ、ヤマシロオニグモ、サツマノミダマシ、サガオニグモ、ジョロウグモ、オオシロカネグモ、メガネドヨウグモ、アシナガグモ、オウギグモ、カタハリウズグモ、ササグモ、アズマキシダグモ、イオウイロハシリグモ、ウヅキコモリグモ、キハダカニグモ、ハナグモ、ワカバグモ、アズチグモ、ヤマトコマチグモ、キンイロエビグモ、キハダエビグモ、ネコハエトリ、マミジロハエトリ、オオハエトリ、シラヒゲハエトリ、アリグモ、チャイロアサヒハエトリ、メガネアサヒハエトリ、デーニッツハエトリ、アオオビハエトリ



2025年7月5日土曜日

2015年9月26日土曜日

コゲチャオニグモ 焦茶鬼蜘蛛

2015/09/26 ♀
2015/09/12 ♂

シロカネイソウロウグモ

2015/09/26
 再チャレンジですが、もう少しです。なにか捕まえたようですね。

2015/09/19 ♀
 小さくて、なかなかうまく撮れません。

2015年9月22日火曜日

アリグモ属sp.

2015/09/22 きたきつねさん

2013/07/13 ♀と卵のう
 アリグモとクワガタアリグモはよく似ているようです。やや大きいようですので、アリグモでしょうか?

2015年9月19日土曜日